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* 第十壱話 * ~杏子の場合~ ⑨

帰宅した杏子は、有野宛にファックスを書いた。


芳野に告白らしきことをされたこと。


だけど、斉藤と付き合うことになったこと。


面白おかしく、自虐的ギャグも織り交ぜながら。


まだ有野は飲み会の最中だろう。


目にするのは早くて明日の朝か。


有野は、これを知ったらどう思うだろう。


少しは惜しいと感じてくれるのだろうか。


杏子は、ちょっぴり変な期待をしつつ、送信ボタンを押した。






有野から電話があったのは、翌日の夕方だった。


「なになに、斉藤君と付き合うんだって?」


第一声は冷やかしモードいっぱいであったが、すぐに真面目な声色に変わった。


「斉藤君は束縛するタイプかな。俺とこれからも二人で会っても大丈夫な人なんだろうか?」


杏子は一瞬耳を疑った。


「俺、嫌なんだよね」


「な、何が?」


「彼氏が出来たからって急に付き合いが疎かになるの。友達なのに何で?って思う」


有野らしい意見だと思った。


自分が楽しければ、相手の都合などお構いなしなんだから。


「大丈夫だと思うけどねー。毅は、今までどおり私と接してくれて問題ないでしょ」


杏子も自分に都合良く応えた。


「あそ。じゃ、これから会おうぜ」


「え?今から?」


「そう。車出せる?今から電話して、二人で斉藤君ち遊びに行こう」


「はあ?」






一時間後、杏子は有野のアパートの前にいた。


杏子の家の車に有野が乗り込み、そして一路、斉藤の家に向かう。


「♪カニ、たっべいこぉ~」


助手席の有野はご機嫌だった。


わかっている。


何かがおかしいのはわかっている。


だけど、杏子にとって、有野の言うことは絶対なのだった。


彼氏が出来ても、有野と一緒にいられる。


正直、こんなに好都合なことはなかった。




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プロフィール

香月 瞬

Author:香月 瞬
短編小説を主に、様々な恋路を綴ってまいります。
友達のコイバナを聞くようなつもりで読んでいただけると嬉しいです。

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