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* 第十話 * ~武彦の場合~ ⑥終

切り替えが早い男と呼んでくれればいい。


言っておくが、これでも俺は、女の付き合いを同時進行はしない。


それでも、当時、この切り替えが最後になるとは気付いてなかったが。


つまり、妙子のあと、再会した高飛車女。


これが、俺の生涯の伴侶となるわけだ。


妙子と出会ったから、こういう運びになったのだと思うと、感慨深いよな。


運命ってやつは、本当に分からないよ。


妻になる女は、相変わらず高飛車で、ワガママで、だけどやっぱり容姿だけは端麗で…。


顔を合わせてすぐは、昔、俺に付き合ってくれと言ったことを恥じているようだった。


プライドが許さなかったんだろうな。


でも、結局は俺に心を許した。


かわいいヤツだよ。







だけど、妙子はとことん堕ちて行ったな。


電話は変わらず毎日来た。


一度、うっかり出ちまったことがある。


会議中に、電源を切るのを忘れたために出ざるを得なかった。


「もしもし、今、大丈夫ですか?」


妙子はそう言った。


「今、会議中だから」


ひと言そう伝え、通話を切ると、電源を落とした。


我ながら、ハンパなく冷たかったと思う。


でも、しょうがないだろう。


上司もいる会議の席で、恋愛ごとを話せるほど、俺の肝も据わっちゃいない。


この日を境に、時々入っているメッセージはだんだんやばいものになっていった。


「今日、うちのデパートの前を通りませんでしたか?似ている後姿を見かけて、勤務中だったのに追いかけちゃいました」


 ―― 行ってねえよ。


「ずっと友達だと思っていた男性から告白されました。断って、このまま久保さんを待っていていいですか?久保さんが決めてくれませんか」


 ―― 妄想かよ。


「今度、車買おうかと思うんです。久保さんの乗ってるレグナムって、女の子でも乗りこなせるかしら」


 ―― 知らねえ。


「同僚と旅行に来ています。久保さんのいる局のクルーがいましたよ。久保さんもいる気がして、一生懸命探してみました。きっと一緒にお仕事されている方々ですよね」


 ―― もういい加減に忘れてくれ。


「今日、駅で久保さんと同じ香りがしたんで、思わず振り返っちゃいました。残念ながら、あなたではなかったけれど…。香水売り場で調べてみたら、エゴイストプラチナムだったんですね。当たりでしょ?」


 ―― ……。


うんざりだったし、さすがに怖かった。


そうだ。


ちょうど同じ頃、大学のときの部活の先輩から、合コンの誘いがあった。


聞けば、妙子の勤めるデパートのコたちとのコンパだという。


俺は思わず、「妙ちゃん、来るんですか?」と聞いてしまった。


あっち側の幹事らしい。


冗談じゃないと断った。


今、会ったら、刺されそうだ。


先輩は、「妙ちゃんがいるなら久保は参加しない」とハッキリと伝えてくれたらしい。


それから、妙子からの連絡は来なくなったんだった。





 *





それ以来の電話だったから。


妙子が元気そうで良かった。


というか、生きててくれて良かった。


そのまま彼氏とやらと幸せになってくれ。


俺も、幸せになるさ。


煙草を終えると、俺はまた携帯を手にする。


続きだ。


 ―― カ、サ、…坂本っと。


「もしもし?久保だけどー、久しぶりー」





 -終-



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Comment

泉月 光詩 | URL | 2008.10.27 14:43
うう、何と言ったらよいのやら。
でも、妙子も妙子で・・・(ノω・、)
気がついて と、思って仕方がないです~~

悪い男もいたもんだ。

しかし・・・最後、妙子怖い( ´(ェ)`)
香月 瞬 | URL | 2008.10.27 14:44
>泉月さん

ちと修正して再UPしました。

悪い男には引っ掛かりたくないですな。
彼の為に壊れていくようなオンナにもなりたくないっす。

小町 | URL | 2009.01.29 17:18 | Edit
妙子ちゃんのその後が、タイトル通り運命だから幸せな話になってくれるのかと、続きが気になって武彦を一気によんでしまったら...
そんな~!
うぅ、妙ちゃんかわいそう。
いや、かわいそうではないのだ。
だってこんな男にひっかからなくて良かった。
妙ちゃんもラブイズマネーなんていってるうちは、いかん。
惚れたら弱いとこ、うまく描写してると思いました。
毎度思うのだけど、小説家って凄いな~☆


香月 瞬 | URL | 2009.01.30 11:14
この二人がうまく行くのか行かないのか、どっちが良かったんでしょうかねー。
やっぱり成就しなかった思いは引きずりますよね。
優しい言葉を最後に終わりにされるのは一見よさそうだけど
かえって良くないのかも。
森吉 | URL | 2009.02.06 03:32
ちゃんと恋愛してないんじゃないかな。

どき。


ていうかお前もだろぉ~!
おまいの女の基準はフェチだけだろぉ~!



みたいな?


やっぱ惚れたほうが勝ち、そして勝負にしちゃったら恋愛なんて始まりも終わりもない。
と、さいきん思います。
香月 瞬 | URL | 2009.02.06 09:58
コメ、ありがとうございます。

このこ?
妙子のことかしら。

惚れた方が勝ち、ですか。
勝敗で語るなら、好きが大きい方が弱いなあと思います。
でも、ある意味、強い気もしますし…。
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香月 瞬

Author:香月 瞬
短編小説を主に、様々な恋路を綴ってまいります。
友達のコイバナを聞くようなつもりで読んでいただけると嬉しいです。

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