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* 第九話 * ~妙子の場合~ ②

今週から8月に入った。


そういえば、ノストラダムスの大予言とは一体何だったのだろう。


1999年の今年、予言にあった7の月もいつのまにか過ぎていた。


 ―― 神様、お陰で、こんな素敵なパーティーに出席できますっ。


妙子は、いそいそと鼻歌交じりに電報堂主催のパーティーに行く準備をしていた。


真夏の装いには、いつもより気を遣う。


大好きなEPOCAのドレスをチョイスする。


服を汗で汚すなんて耐えられない。


妙子は、今日のシフトをわざわざ休暇にしていた。


時間的には仕事終わりでも間に合ったが、一日中エレベーターに乗った後、ヘトヘトなコンディションで臨むのは絶対に避けたかったからだ。


それだけ、今回のパーティーには気合が入っていた。


普段の合コンなんかとは一味違う。


一流企業の男性陣が勢ぞろいしている場所に参加できるなんて、後輩の人脈も然ることながら、やっぱり有名百貨店のエレベーターガールという職業サマサマだと妙子は思う。


だから、この仕事は辞められない。






妙子は、夕方、涼しくなってから、日比谷線に乗った。


六本木七丁目にある一軒家風の会場にゆっくり歩いて向かう。


携帯電話で連絡をとると、同僚たちはもう会場についているようだ。


大きなパーティーということもあって、同僚ほとんどが参加することになっている。


 ―― みんなには負けられないわ。


会場に着くと、それぞれ勝負服の同僚たちが勢ぞろいしていた。


 ―― へへ、私のが一番かわいいじゃん。


妙子は満足げに裾をヒラリと揺らした。


中に入ると、薄暗い照明の中、バーカウンターの上には、キラキラとグラスが輝いていた。


結構、広い。


ビュッフェ形式だが、テーブルはあるようだ。


ビシッとスーツで決めた男性たちが目に入る。


既にそれぞれ数名ずつ席が埋まっているテーブルもあった。


「妙子」


呼ばれて振り向いた。


「あ、潤奈。間に合ったね」


電話交換係で同期の潤奈が仕事を終えて、到着した。


「すっごいね、誘ってくれてありがとう」


「ううん。ってか、MOGA?このワンピ超可愛い」


さりげなく潤奈のファッションチェックをする。


「でしょ。軽く気合入れてみた」


妙子と潤奈はバーからシャンパンをとると、まだ誰も座っていないテーブルについた。


見回すと先輩も後輩もそれぞれ散らばっていた。


このパーティーに誘ってくれた後輩の杏子は、この主催者と知り合いらしく、その人のグループと会話をしていた。


 ―― ってことは、あそこのテーブル近辺が主に電報堂か。


妙子はテーブルを順に見定めた。


急に周りがガヤガヤっと賑やかになり、数名の男性が妙子たちのテーブルに来た。


「おっつかれさんでーす」


「ここ、座らせてー」


20代後半か30代前半だろうか。


色味のシャツと派手なネクタイでキメた男たちが次々と座った。


明るく清潔感はあったので、まあいいかと、妙子はとびきりの笑顔をつくった。


「どうぞー」



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プロフィール

香月 瞬

Author:香月 瞬
短編小説を主に、様々な恋路を綴ってまいります。
友達のコイバナを聞くようなつもりで読んでいただけると嬉しいです。

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