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* 第六話 * ~マリアの場合~ ?

見覚えのあるものに対して、音を立てて奉仕する見知らぬ女。

ムービーの中の出来事は、架空ではないと悟った。

登場人物は、紛れもなく、この隣に寝ている者だと。


マリアは自分の携帯電話を持って、寝室を出た。

部屋の外で気付かれないよう、速やかに自分のSDカードを隆徳の携帯電話に挿入し、ムービーを保存した。

見たくもないのに釘づけになってしまう。


寝室に戻り自分の携帯電話を置くと、子供たちを起こさないように気を付けながら、隆徳を叩き起こした。

不思議と冷静だった。

「な…、どした?」

首根っ子を掴んで、引っ張りあげた。

そのまま寝室から押し出す。

「なんなんだよ、明日も早いのに」

眠気眼をこすりながら、隆徳はマリアに抗議した。

「これ何」

隆徳の目の前に、水戸黄門よろしく、携帯電話のムービー画面を突き出した。

一瞬にして顔色が変わり、明らかに動揺した様子の隆徳の表情が全てだった。

「こ、これはダウンロードしたんだ」

「私があなたのこれを見間違えると思うの?」

こんな一大事なのに、隆徳は眠気には勝てなかったらしい。

「ごめんなさい」

あっさりと白旗を揚げた。

マリアはこれにも衝撃を受けた。

 ― 否定しないの?

これだけ明らかな証拠を見ても、心のどこかでは認めてほしくなかった。

「じゃ、このメールもロック解除してよ」

そう言われた隆徳は一層慌てた様子で、携帯をいじりだした。

「いや、これは…」

「見せなさいよ。パスワードは何なのよ」

「9393…」

 ― 久美、久美?

マリアは自分の血の気が引いていくのを克明に感じた。

「や、でも、これは、お前には読ませたくない」

その言葉だけで、よほど熱いメッセージが交わされていた事は容易に想像できた。

マリアのことも愛してないだのと送っていたのかもしれない。

怒りと悲しみで胸が張り裂けそうだった。

「…すぐさま別れて」

マリアはそう告げるのが精一杯だった。





 ― 信じていたのに。

その途端、数年前の記憶が蘇った。

「信じるって何?マリア、バカなんじゃないの!」

そう、あれは高田早苗の声だった…。



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プロフィール

香月 瞬

Author:香月 瞬
短編小説を主に、様々な恋路を綴ってまいります。
友達のコイバナを聞くようなつもりで読んでいただけると嬉しいです。

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