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* 第五話 * ~潤奈の場合~ ⑥

「ちょ、待って、シャワ…」


「浴びないでほしいねん」


ひとまず浴室に逃げようと思った潤奈だったが、どうにも出来ず、観念した。


 ―― もういいや。ここまで来た私が悪い。


投げやりになって、自分から服を脱いだ。


さっきより【HARU】の口臭が鼻についた。


タイツに手をかけると【HARU】が言った。


「あんな、俺と寝た女はな、絶対俺から離れられなくなんねん」


【HARU】は脱ぎたてのタイツを奪うと、片手で潤奈の両手首を合わせ持ち、それで軽く縛った。


「!?」


「大丈夫。痕にはならんから」


そう言って、【HARU】はおもむろに自分の下着をとって、屹立したものを潤奈の顔の前にあてがった。


あまりの大きさと臭いに潤奈はギョっとして、顔をそむけた。


「ほらな、すごいやろ。これ知った女はもう離れられへん」


軽くと言えども、両腕を縛られている潤奈はされるがままだった。


足の指先からひとつひとつ順番に、下から上へと、全身をザラついた舌が這っていく。


こんなに恐怖を感じているのに、意に反して身体は正直だった。


それでも外の若者たちが気になって、必死で声を殺した。


「こんなにデカイ奴、滅多に会えへんよ。君は、運がええよ」


今までの女たちが、どれだけ【HARU】の持ち物を褒めたのだろう。


ややSの気があるらしい【HARU】に、女たちはたいそう従順になったのだろう。


潤奈の気持ちが冷酷に冷めていくのを感じた。


その自信のものを潤奈の口に入れてきた。


「舐めて」


潤奈は必死に鼻での呼吸を止めた。


口に入りきらない。


喉をついて、吐き気がした。


苦しいだけなのに、こんなものを有難がった女がいたのかと思うと、馬鹿馬鹿しくなった。


【HARU】は潤奈の両脚を大きく広げると、自分はそこにしゃがんでものをブチ込んできた。


細かにグラインドを続ける。


裂けるかと思った。


潤奈の気持ちは乾いていくだけで、全然良くなかった。


長時間かかってようやく果てた【HARU】は、臭い息を弾ませながら、優しく腕のタイツをほどきながら囁いた。


「すごかったやろ…」


「そうね。とても大きくて驚いたわ」


潤奈は敢えて正直に答え、シャワーを浴びる時間さえも勿体無く思え、さっさと服を着た。




 *





どうにか無事に自宅に帰りつくことが出来た潤奈は、あまりの浅はかさに自らを呪った。


玄関からそのまま浴室へ向かった。


 ―― 気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い…。


熱いシャワーを全身に浴びて、【HARU】の気配を流したかった。


ふと鏡を見ると、胸元にはくっきりと桜の花びらのような痕が残っていた。


情けなくて、涙も出なかった。


ちょっと顔が良かったから、ちょっとスタイルが良かったから、ちょっと優しいと思ったから。


だけど、怖かった。


断るのが怖かった。


首筋を触る。


変なことを口走ったら、首を絞められてしまう…。


そんな気がしたのだ。

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プロフィール

香月 瞬

Author:香月 瞬
短編小説を主に、様々な恋路を綴ってまいります。
友達のコイバナを聞くようなつもりで読んでいただけると嬉しいです。

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