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* 第四話 * ~早苗の場合~ ②

早苗宅、夕食後。

自室にて、早苗とマリアは勉強のふりをしながら、だらだらゴロゴロと談笑していた。

母親の階段を昇ってくる足音が聞こえたかと思うと

「開けるわよ~」

と扉が開いた。

床に寝転んだまま二人が顔を向けると、母親の後ろから誰かがひょこりと顔を出した。

「えっ?」

マリアが大慌てで身体を起こして、うつむき加減で髪に手をあてた。

「よう」

八木だった。

「あら、ごめんね。ノックしてあげればよかったね?じゃあ、隆徳ちゃんもごゆっくり」

母親は八木の背をポンと叩き、部屋を出ていった。

「早かったね、八木ぃ」

早苗が八木を手招きした。

「ちょっと!どういうこと!」

小声でマリアが早苗に聞いた。

ふいをつかれ、気を抜いていたマリアがとりあえずササッと身繕いをしている姿が滑稽だった。

「今日、うちの学校のミスが来るって話したら、会いたいっつってさ、だから呼んだんだわ~」

早苗は、油断していたマリアの慌てる様子に、何故か軽い優越感を覚えていた。

いつも男子の前では完璧なマリアしか見たことがなかったからだ。

「だったら先に教えておいてよおっ」

「脅かしちゃってゴメンね。俺、八木って言います」

挨拶しながら、八木が早苗の隣に座った。

「はい、はじめまして、橘…です」

マリアは、うつむいたまま応えた。

顔は真っ赤だった。

早苗は場を取り繕うのに必死で、ひとまず八木の野球の話をして盛り上げた。

話しているうちに段々マリアと八木も打ち解けてきて、部屋に笑いが起きるようになった。

「あ、やべ。もう俺、家戻るわ」

時計を見ると、午前0時を回っていた。

「うわぁ、時間経つの早っ!…じゃあ、隆徳くん、またね」

「おう、どうせまた、ここ来るんだろ」

八木が立ち上がると同時に、早苗の腕を引っ張った。

「あ、じゃあ、八木送ってくるわ。マリア部屋で待ってて」

二人が階段を降りると、八木が口を開いた。

「なあ、マリアちゃん、超可愛いじゃん」

「ね?だから、言ったでしょ」

「いやぁ、ビックリしたね。この話は、また明日にでも電話するわ」

「オッケー。じゃね、おやすみ」

玄関で見送った。

早苗はなんとなく得意な気持ちになっていた。

可愛い女の子を、格好良い男の子に会わせて、評判を得る。

自分の友達が良く思われるのは嬉しい。

部屋に戻ると、マリアがにやにやしていた。

「なるほど、自慢したくなる幼なじみだねぇ」

「結構イケてるでしょ」

「話に聞いてたより格好良かったよぉ。面白いし」

早苗はくすぐったくなる。

「でもさ~、来るなら来るってさ~」

「それは、ゴメンて!」

早苗は電気を消して、二人は布団に入った。

しばらく話を続けていたが、あまりにも気分が良く、早苗はあっという間に眠りについた。

が、マリアはしばらく寝付けないようだった。



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プロフィール

香月 瞬

Author:香月 瞬
短編小説を主に、様々な恋路を綴ってまいります。
友達のコイバナを聞くようなつもりで読んでいただけると嬉しいです。

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