FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

* 第一話 * ~珠子の場合~ ①

バスから、一歩降りた瞬間、突風に砂埃が舞った。

大量に散ってしまった桜の花びらが、低い位置で灰色の渦を巻いて去っていった。 

長い髪が顔にはり付いて不快だ。 

雨宮珠子は砂が入らないよう唇をかたく結び、大きな目を細めながら、風の抵抗に向かって歩いた。 

歩行者用の信号が点滅していた。 

そのまま走って横断歩道を渡ってしまおうかと一瞬頭をよぎったが、思い直して足を止める。 

今、降りたばかりのバスが目の前を走り過ぎて行った。 

珠子は、ふと肩に掛けたバッグの中を覗き込む。 

ようやく書き終えた用紙を封に入れて、文庫本に挟んである。 

大事なものなのに。 

珠子は、苦笑を隠すように深いため息をついた。 

と同時に、珠子の身体は風によろけ、二、三歩後ろに下がった。 

「あ…」 

思わず、小さく声に出た。 

 ―― あの日と似ている。 

そう思って、後ろを振り返った。

 

あの日は、振り向いた先にアイツがいた。 

「おはよう」 

初めて言葉を交わした。 

そう、あの瞬間から、珠子の人生が動き出したのだ。 

忘れるものか。 

信号は、すでに青に変わっていた。

Comment

沙恋-syaren- | URL | 2008.10.25 16:21
*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆

なんかすごくステキです!!あたしも恋愛の短編小説を書いているんですけど、全然かないません!!これからも応援してますね☆彡
それでは!!(^-^)ノ

香月 瞬 | URL | 2008.10.25 16:22
■沙恋さん

ありがとうございます。
コメント第一号、すごく励みになります!
行き当たりばったりに書いてますが、良かったらまたお越しくださいね。
あざみ | URL | 2008.10.25 16:23
■魅力的な貴女にありがとうを!

ありがとう! (*^^)v
早速に作品の初回に目を通し、あえてその段階のそれだけでこの送信をしています。
感想~いい感じの出だしだと思いますよ。
先への興味が誘われますからね。
これからは、少しずつまとめてでも読ませて頂こうかと思います。
ところで質問してもいいかしら?
手当たり次第にペタをしている貴女とも思えないのですが、何故にこの私を選んで下さったの?
何か共通性を感じられた点でも? (^_^.)
ここには掲載させた事はありませんが、私も小説紛いの真似事の経験があるんです。
才能無しと自己判断を下して・・・やめた?
(#^.^#) 
とにかく今回の訪問は嬉しかったわ。
どうも有難う、頑張ってね! (*^^)v
香月 瞬 | URL | 2008.10.25 16:24
■ありがとうございます

>あざみさん
プチメール送りますね。
そちらで、ご質問にお答えします!
良かったらまた来てくださいね。
Comment Form
公開設定

プロフィール

香月 瞬

Author:香月 瞬
短編小説を主に、様々な恋路を綴ってまいります。
友達のコイバナを聞くようなつもりで読んでいただけると嬉しいです。

検索&ランキング
参加しています。
にほんブログ村 小説ブログへ 人気ブログランキングへ
よろしくどうぞ。
カテゴリ
最新記事
Twitter
リンク
このブログをリンクに追加する
MicroAd
CHECK IT!
RSSリンクの表示
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。