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* 第二十一話 * ~佳澄の場合~ ②

日課のように行っている本屋だったが、名刺など貰ってしまって、佳澄は明日からどうすべきか迷った。


行って、秋谷と顔を合わせるのも、なんだか恥ずかしい。


しかし、行かないのも自意識過剰過ぎる気がした。


そもそも、彼はどういうつもりで佳澄に名刺を渡したのだろう。


それも、こっそりと。


いつも来てくださってますね、私が店長の秋谷です。


そういう意味ならば、堂々と渡してくれればいいのに。


変に勘繰ってしまう自分が照れくさかった。


「とりあえず、読み終わったら行こうかな…」


独り言を呟くきながら、部屋着に着替える。


ベッドにごろりと横になると、一日の疲れがどっと全身を覆った。


佳澄はサイドテーブルに手を伸ばすと、オススメですよと言われた文庫本を一冊とった。


それを胸に当て、目を瞑る。


秋谷の顔がハッキリと浮かぶ。


一瞬見ただけの彼の顔がこうもありありと思い描けるとは、佳澄はなんとなく心が弾んだ。


 ―― 案外、イケてたよね…。


フフッと笑って、文庫本を開く。


読み進めていくうちにいつのまにか眠りについていた。


 

 

 翌日、会社に着いた佳澄は、同僚の絵美と給湯室でお茶の仕度をしながら、早速昨日の出来事を話した。


「ねえ、どう思う?」


「うーん?単に挨拶代わりの名刺にしては変な渡し方よねえ」


「でしょう」


絵美がコーヒーの缶を開け、分量を量りながら、フィルターに入れる。


その手がふと止まった。


「ちょっと待って。その前に、佳澄、あの人どうなったのよ」


「誰?」


「佑ちゃんとか言ったっけ?しょっちゅうご飯行くって言う彼よ!」

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プロフィール

香月 瞬

Author:香月 瞬
短編小説を主に、様々な恋路を綴ってまいります。
友達のコイバナを聞くようなつもりで読んでいただけると嬉しいです。

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