FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

* 第二十二話 * ~忠則の場合~ ⑧終

あの晩、飲めない酒を飲んだ忠則は少しだけ気が大きくなっていた。


窓香は、好きな酒を気が済むまで飲んで、散々仕事の愚痴やら、店長に言い寄られていて怖い話を涙ながらに漏らした。


「斉藤くんが早番に来てくれて、すごいホッとしてるの」


いつのまにか隣に移動してきた窓香が忠則にしなだれかかる。


「夏休み終わってからも、夜に戻らないで欲しいな」


勿論、忠則だって女性に甘えられて悪い気はしない。


自分が彼女を守ってあげようと本気で誓った。


ふと視線を落とすと、脚を斜めに流して座っている窓香のミニスカートがどんどんたくし上がっていて、なんとも言えず艶めかしい。


鼻先に漂う窓香の髪の香りも忠則の判断力を鈍らせている。


 ―― 今日、これって、お持ち帰りしてもいいってことだよな。


忠則は一人合点し、そっと窓香の生脚に手を伸ばした。


盛り上がった二人は、居酒屋を出る。


「ありがとうございやしたー」


店員の声が忠則の背中を押す。


そして、二人は駅の裏に建ち並ぶ、ラブホテルの中に消えていった。


窓香が手馴れた様子で、部屋を選び、キーを受け取る。


二人乗ったらいっぱいになってしまうような狭苦しいエレベーター内で、忠則は精一杯の勇気を出し、窓香にキスをした。


ぎこちないキスだった。


「俺は、奥居さんのこと、泣かしたりしないから」


部屋に辿り着いて、ピッとテレビのスイッチを入れると安っぽい濡れ場が画面に映し出される。


忠則のスイッチも完全にONだ。


酔いが回っている二人はドサリとベッドに倒れこんだ。


頭の中は、これからの手順でいっぱいで、シャワーなど浴びている余裕もない。


忠則は、Tシャツを脱ぎ、脇のソファに放ると、ベッドに仰向けになっている窓香の上に四つんばいになった。


真上からもう一度窓香にキスをした。


ほろ酔い加減で気持ち良さそうに目を瞑っている窓香。


ほんのり赤く染まった首筋がとても色っぽかった。


忠則の股間はもうはち切れんばかりに大きくなっている。


 ―― いいんだよな、俺。ヤっちゃって、いいんだよな。


片手で、カチャカチャとズボンのベルトを外そうとするが、焦ってしまって手元が覚束ない。


窓香が下から手伝ってくれた。


ようやくジーパンが脱げる。


「俺、童貞なんですけど、いいっすか」


そう言ってから、右手で窓香のスカートの中をまさぐろうとした時、彼女の瞳がパッチリと開いた。


「ごめん」


窓香の手が忠則の手を制した。


「やっぱり眠いから寝る」


「え?」


窓香は服を着たまま、布団の中にもぐりこみ、あっという間にスースーと寝息を立て始めてしまった。


忠則は何が何だか分からないまま窓香の横に仰向けになった。


チラっと自分の股間を見る。


ギンギンに固くなっている息子が悲しくも立派なテントを張っていた。


 ―― ああ、余計な一言を…。


ギュッと目を瞑ったら、突然に酔いが回ってきた。


天井がグルグル回っている。


何かに引き寄せられるように身体が重くなり、忠則はそのまま深い眠りについた。


 

 

 

「あー…、お前ホントに真面目くんだったんだな」


社員は、忠則からその話を聞いて、一層憐れみの表情を強くした。


「いろんな意味で、俺は利用価値なしみたいです」


「い、いやぁ、窓香ちゃんも責任重かったんじゃない?初めてじゃ…」


忠則は、どうにも切なくなったのを吹っ切るために、勢いよくホールに飛び出して行った。


労働で心を癒すしかなかった。


しかし、今後、堂々と窓香と顔を合わせて働く気概もなく、夏休み中は早番のつもりだったが、店長に頼み込んで夜のシフトに替えてもらった。


なんとなく店長も理由は聞かずにいてくれたから、筒抜けだったのだろう。


その後、例の社員からの別世界への勧誘が激しくなってきたので、忠則はファミレスのバイトを辞める事にしたのだった。


その間、ちょっとだけ、親に仕送りしてもらって…。


 

 -終-

人気ブログランキングへ

 

Comment

cdoor | URL | 2008.11.26 21:22 | Edit
女の人も相手が初めてだと責任感じるの?
それはないでしょう?
え? やっぱ感じる?
そうなのか…。
奥居さんのような人と一度ご一緒してみたい。
耐えられるかな? 僕は。
自信ないなぁ…きっと負けるな。
でも次の日「おう、兄弟」って
仲間から言われるのだけはイヤだ!☆☆
香月 瞬 | URL | 2008.11.26 22:12
いつもありがとです。

多分、女性側が責任を感じることは一般的には少ないでしょうね。
ここでは、茶化しつつの慰めの台詞として、そう言わせましたが。
ただ、相手が初めてだって聞いて「引いちゃう」微妙な年頃はあるかも!?
愛があれば別ですけどねぇ…。

やっぱ据え膳は食いますか!
cdoor | URL | 2008.11.27 01:05 | Edit
食います♪
Comment Form
公開設定

プロフィール

香月 瞬

Author:香月 瞬
短編小説を主に、様々な恋路を綴ってまいります。
友達のコイバナを聞くようなつもりで読んでいただけると嬉しいです。

検索&ランキング
参加しています。
にほんブログ村 小説ブログへ 人気ブログランキングへ
よろしくどうぞ。
カテゴリ
最新記事
Twitter
リンク
このブログをリンクに追加する
MicroAd
CHECK IT!
RSSリンクの表示
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。