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* 第二十三話 * ~毅の場合~ ④

俺と千春は急速に近づいていった。


最初は、俺の曲に彼女の音楽的才能が欲しかっただけだった。


だけど、間近でドラムを叩く千春を見てたら、本気で尊敬した。


俺は、自分で言うのもおかしな話だが、自尊心が人一倍高い。


自信家でもある。


だから、自分以上の才能って、クソだって思っていた。


でも、千春はマジでカッコいい。


とても敵わないのがよく分かった。


ヘッドホンをしながら、目を瞑って、リズムを聞いている姿。


鉛筆片手に真剣に譜面を追う姿。


そうかと思うと、俺の冗談に豪快に表情を崩して、大爆笑する。


音楽と接していない時は、ただの女の子だ。


思いがけなく、缶コーヒーを差し入れてくれたりする優しい子だ。


空き時間にパラパラとめくる女性誌や通り過ぎる時にフワリと感じる良い香りが表現する女性らしさと、あんなに全身を筋肉を躍動させて力強くドラムを叩く千春とはリンクしない。


そのギャップが、俺にはたまらなく魅力的だった。


ただひとつ。


ふと思い出した拍子に伊崎の話をする彼女だけが、俺の嫌いな千春だ。


彼女の時間を独り占めしたいと思う。


千春の恋人である伊崎から、奪いたいと思う。


千春も俺のことを意識はしてくれていると感じている。


だから時折、わざと伊崎の話を出すんだ。


「私は伊崎の女なのよ」というアピールなんだろう。


いいじゃないか。


俺は、千春を手に入れたいよ。


音楽面だけでなく、心も全て、俺一人だけのものにしたい。


それは、悪い事だろうか。


好きになってしまったら、彼女が誰のものかとか、そんなの関係ねえだろう。


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プロフィール

香月 瞬

Author:香月 瞬
短編小説を主に、様々な恋路を綴ってまいります。
友達のコイバナを聞くようなつもりで読んでいただけると嬉しいです。

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