FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

* 第二十話 * ~慶子の場合~ ⑥

【アルバイト ハジメタヨ  テル】


【アス、ニュウセキ シマス  テル】


【オンナノコ ウマレタヨ 「ミソノ」 デス  テル】


別れてからも、輝元からは、慶子宛に事あるごとにショートメールが入った。


おめでたいお坊ちゃんだなと呆れつつも、新しく携帯電話を持つようになり、電話番号を変えるたびに教えてしまう自分がいる。


この二人が結婚してどんな生活を送っているのかを知りたかった。


幸せな様子が胸をズタズタに切り裂き、慶子を苦しめるのに、何故かそれを知りたかった。


未練?


遺恨?


あの時、プライドなんかかなぐり捨てて、キレていれば、こんなに自虐的な執着はしなかったのかもしれない。


輝元から聞いて、少し「それ見たことか」と思ったことがある。


詩真は、自分が慶子から輝元を奪取したせいで、浮気に敏感なんだそうだ。


自分のしでかしたことは自分に返ってくると、それくらいは認識しているのだろう。


詩真が浮気に怯えているということは、少しは過去を反省しているのかもしれない。


一度も謝罪の言葉を詩真から貰ったことはないけれど。


輝元は、詩真の嫉妬が激しくて、お互いに狂いそうだとこぼしていた。


どうやら実際、輝元がバイト先の女の子に現を抜かした時期があったようだ。


ちょうどその頃に、慶子の元に何回か無言電話が掛かってきていた。


詩真が、輝元の浮気相手が慶子なんじゃないかと邪推したといったところだろう。


その一件から、輝元の携帯電話は詩真に管理・監視されるようになり、慶子へのたまのメールもなくなった。


すったもんだした二人の様子に、慶子もようやく溜飲を下げたというか、スッキリした感はある。


同じ頃に、慶子は今の夫と出会い、結婚を決めた。


ようやく、過去の傷も癒え、慶子自身も輝元は運命の人ではなかったのだと心から思えるようになった。


彼らの幸せも気にならなくなり、夢に見ることもなくなった。


そして、癒しと幸せを感じられるようになり、長かった心の闇に一筋の光が差したのだ。


頑なだった心を優しく溶かしてくれる、とても温かい光。


輝元と慶子は、それぞれの出来事をキッカケに、ようやく疎遠になったのだった。


それなのに。


五年ぶりに近いメールが、まさか娘の死を知らせるものだったなんて、誰が想像するだろう。



人気ブログランキングへ


Comment

美琴 | URL | 2008.10.28 11:21
■人間模様

苦しみながらも輝元と詩真の様子を知りたがる慶子。
浮気を疑い続けて苦しむ詩真。
詩真の束縛に苦しむ輝元。

それぞれの人間模様が生々しく浮き彫りにされていて、とても読み応えがありました。

今回は後味の悪いものにするとの事、それはそれで楽しみです。
香月 瞬 | URL | 2008.10.28 11:22
■かも、ですけどね。

>美琴さん
なんだか説明説明になっちゃって、ね~。
そんな中、ちゃんと読み取ってくださって、ありがとです。

Comment Form
公開設定

プロフィール

香月 瞬

Author:香月 瞬
短編小説を主に、様々な恋路を綴ってまいります。
友達のコイバナを聞くようなつもりで読んでいただけると嬉しいです。

検索&ランキング
参加しています。
にほんブログ村 小説ブログへ 人気ブログランキングへ
よろしくどうぞ。
カテゴリ
最新記事
Twitter
リンク
このブログをリンクに追加する
MicroAd
CHECK IT!
RSSリンクの表示
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。