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* 第十九話 * ~達矢の場合~ ②

彼女とは、達矢の劇団に所属する役者が客演した他の劇団の打ち上げで出会った。


千秋楽の後、「柴田さんも是非」と誘われ、出演した役者と共に飲み会に参加した。


ひたすらお酌をして回っている若い女の子に目が行った。


漆黒の長い髪が印象的な美女だった。


「あの子は、ここの女優さん?」


そこの劇団の主宰者に尋ねた。


「ああ、新人募集で来た子なんだけど、芝居が下手でね~。でも演劇に関わりたいって言うからさ、とりあえずいてもらってんの」


「舞台に出す気はないんですか?」


見る限り、相当の美貌を持っていると思った。


ただ、少し暗い影がある。


耽美な印象ではあった。


「うーん。下手でも爆発的に下手だったらいいんだけどさ。笑えねえのよ。今のところ、出しようもないんだよねぇ」


「へえ」


「ああキレイなだけじゃ、お人形さんの役しかねえな」


確かに、お笑い系のそこの劇団のカラーにはそぐわない気はした。


「制作側に行ってくれれば助かるんだけど、そういう気はないっていうし。ちょっと扱い辛くて…」


主宰が、少しこぼした。


「…柴田さん、預かってくれないか?」


「え?」


達矢は、少し悩んだ。


ただ、この飲み会の場にいる人物の中で、唯一目に留まったという自分の勘を信じた。


「…面白いか」


達矢は呟く。


「じゃ、ちょっと借りていいですか?」


「いいよ、いいよ。ってか、移籍させてくれ。僕には、あの子の望む様な役をつけてやれないから」


彼女が、達矢と主宰の元にお酌にやってきた。


いい香りが、達矢の鼻腔をくすぐった。


「ねえ、君、柴田さんとこの劇団に見学行ってみないか?」


黒くて長い睫毛が音を立てそうなほど、瞬いた。


「お芝居…、出来るんですか?」


「まあ、テスト次第でね。どう?」


彼女は、瓶ビールをテーブルに置くと、居住まいを正した。


「はい、水城桜子といいます。よろしくお願いします」


桜子は、達矢に深々と礼をした。



叱咤激励!


Comment

cdoor | URL | 2008.10.27 15:41
劇団の世界ってこんな感じなの?
くわしいね。

香月 瞬 | URL | 2008.10.27 15:42
■さあ?(笑)

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香月 瞬

Author:香月 瞬
短編小説を主に、様々な恋路を綴ってまいります。
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