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* 第十八話 * ~佑介の場合~ ⑥終

佑介が自宅に着いた頃、携帯電話が鳴った。


佳澄だった。


「はい…」


「あー、良かった。携帯、使えたね」


あんな態度をとったのに、いつもと変わらない佳澄の声だった。


「さっき…悪かった。なんか、急に酒が回っちゃって、気分悪かったんだ」


佑介は、どうしていいか分からなかった心の葛藤を酔いのせいにした。


「ううん、いいの。今夜は私もおかしかったしさ。お互い様~」


一生懸命、明るく振舞おうとしているのが伝わりすぎて、すこし辛かった。


「それよりさー、半落ち、読み終わったら貸してよ。私も貸すからさ」


「泣ける純愛小説なんか読まねえよ」


佑介は電話したまま、ベッドにごろりと横になった。


「もー、読まず嫌いはダメだって!…あ、そういえばさ」


「ん?」


「佑ちゃんは、男女の友情ってアリだと思ってるタイプ?」


佑介は、がばっと上半身を起こした。


「くだらねえこと聞くなよ。あるよ。俺たちが生き証人だろうが」


一笑に付す。


うまく笑えてただろうか。


「ふふ、そうよね。でも私はね、ないと思ってたの」


佳澄の声が真面目になったのが分かる。


「男女の友情ってね、ゲイか…」


「俺、ゲイじゃねぇし」


「それか、どっちかの、…一生の片想いだと思う」


その言葉が、佑介の心臓の真ん中に突き刺さったような気がした。


 ―― 一生の片想い?


「私、結婚するの」


佳澄が突然、外国語を喋ったのかと思った。


ワタシ、ケッコンスルノ。


佑介の脳に達するまで、信じられないくらいの時間を要した。


「え?」


「え?じゃなくて!」


 ―― 今、なんて言った?


「結婚!私が、すーるーのっ!」


ハハ…と、歯の隙間から乾いた笑いが漏れた。


「今日、それ言いたかったんだけど、言いそびれちゃって…」


佑介は、絶句した。


「佑ちゃん、これからも私と友達でいてくれる?」


「…あー、あー、うん、もちろん…。おめでとう」


声が上ずったのが自分でも分かった。


 ―― 俺、バカだ…。






一生の片想い…。




 -終-




叱咤激励!



Comment

cdoor | URL | 2008.10.27 15:20
男女間の友情なんて
あるワケないっしょ?
佑介みたいなことを言うヤツっているよね。
不完全燃焼症候群ってヤツ。
サッカーも同じだけど、
攻撃を展開するときは「最後はシュートで終わる」
ってのが鉄則です。
そのシュートが入っても入らなくてもいいの。
シュート打たなきゃ試合の意味ないモンね。
それが、佑介みたいヤツは、
パス回しばっかりやってて、
「お前、勝つ気あんのか!」
って監督に怒られるんだ。

僕は必ずシュートを狙います♪
mikoto8826 | URL | 2008.10.27 15:33
■そっか

佳澄ちゃんは片想いしてたんだろうか…
本当に友情を求めているとは思えなくて切ないな。つか、結婚しちゃうんだ!意外な展開でした。
祐介は、まだ大人の男ではなかったんだね。かすっちまったなぁ、祐介・・・

香月 瞬 | URL | 2008.10.27 15:34
>cdoorさん

大変興味深いコメントありがとうございました。
私も男女の真の友情はない派ですね。
例外もあるだろうけど、保っている友情の裏には秘めた何かがあると思ってます。
んで、私もシュート打っちゃうタイプ。
数打ちゃ当たる…って訳ではなかったですが。

>美琴さん

ふふふ、真実はどこにあるんでしょうね~。
筆者としては、佳澄の場合を書くべきか、書かざるべきか悩む選択です。
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プロフィール

香月 瞬

Author:香月 瞬
短編小説を主に、様々な恋路を綴ってまいります。
友達のコイバナを聞くようなつもりで読んでいただけると嬉しいです。

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