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* 第十八話 * ~佑介の場合~ ②

無事に新規契約を取れた佑介は軽い足取りで、上野にある支店に帰社した。


佑介の勤める中堅保険会社は、今年の四月から吸収合併された。


原因は度重なる保険料未払いの不祥事によるダメージから逃れられず、業績が著しく落ちた為だ。


生き残るには、他の保険会社の傘下に下るしか方法はなかった。


悪いイメージはなかなか払拭できない。


社名が変わっても「えー?あの保険屋さんでしょ?」と契約を渋る者が多かった。


同期たちも合併をキッカケに転職したり、退職したり…。


社に残って頑張ってきた佑介にとって、今回の契約は努力の賜物だった。


帰ってきてから、いろいろ作業をし終え、壁の時計を見遣ると既に19時を回っていた。


「おっと…」


もう佳澄は、店で待っているだろう。


急がねばならない。


今日は、気分が良いから奢ってやるのも悪くない。


佳澄がいう“いつもの店”とは、上野駅浅草口の近くにある焼き鳥屋だ。


安いし、美味いし、一人でも入りやすい。


洒落た店内ではあるのだが、あまりデートっぽい雰囲気にもならないので、佑介と佳澄が二人きりで会うのによく利用する。


向かいながら、佳澄に電話を掛けると、もう既に一杯引っ掛けた様子だった。







暖簾をくぐると、入り口からまっすぐのカウンター席に佳澄の後姿が見えた。


ベージュのタイトスカートからすらりと伸びた脚が場違いだった。


「お待たせっ」


佑介が後ろから軽く佳澄の頭を叩いた。


隣に腰掛け、生ビールを注文する。


「あうっ、遅かったじゃない」


お通しの味噌キャベツを齧りながら、佳澄がぼやいた。


「まあまあ、今夜は奢ってやるから、許してよ」


佑介はネクタイを緩めた。


珍しいものでも見たような表情で佳澄が佑介の顔を覗き込む。


「えっとね、ボンチとネックと皮…、塩で」



叱咤激励!



Comment

cdoor | URL | 2008.10.27 15:14
どこから読むか迷ったけど、
とりあえず現在進行形のものから…。
言葉が整っていてとても読みやすい。
好感持てるよ。
場面描写もイキイキしてて目に浮かぶよう。
あ、ファンになりそうかも…♪
香月 瞬 | URL | 2008.10.27 15:15
■ありがとうございます

>cdoorさん
とりあえず、どの話からでも大丈夫です。
基本的に続きモノではないので。
とても励みになるお言葉をいただけて嬉しいです(≧ω≦)

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プロフィール

香月 瞬

Author:香月 瞬
短編小説を主に、様々な恋路を綴ってまいります。
友達のコイバナを聞くようなつもりで読んでいただけると嬉しいです。

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