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* 第十七話 * ~友紀の場合~ ?終

「よっ」


校内の廊下を歩いていた友紀の背中を叩いたのは、国語教師だった。


「聞いたよ。別れたんだってね」


相変わらずの情報網だと変に感心しつつ、友紀は頷いた。


「いろんな生徒見てきてさー、いろんな恋バナ聞いてきたけど、天野みたいなの最近珍しいよ」


国語教師はそう言って豪快に笑った。


「いい意味でよ?」


「え?」


「流されちゃう子が多いってこと。恋だの愛だのよく分からずに、キスしてセックスしてって生徒が多い中、好奇心に負けなかったあんたは貴重だって思うよ」


友紀は思わず歩みを止めた。


「じゃね」


そういって、国語教師は国語課の事務所に入っていった。


 ―― そういう考え方もあるのか…。


ふっと笑って、また歩き出す。


 ―― 単に嫌になっちゃっただけ。無駄に人を傷付けた気がしてたけど…。


自分が一番正しいなんて思ってはいなかったが、優しさを盾にして心に嘘をつき続けるのは我慢できなかった。


それは、優柔不断なだけだ。


鎌田さんの言葉を思い出した。


 ―― キスしちゃえば、好きになれるかもしれない。


ブンブンとかぶりを振ると、気を取り直した。


「気にすんな、ワタシ!」







 *






あれから、三ヶ月も経った頃、文化祭を前にしての全校集会が体育館で行われていた。


クラスごとに並んで、床に体操座りをしている。


友紀は、ちょっと前から何か圧迫感というか、威圧感というか、そういった力を後方から感じていた。


前に座っている鎌田さんの肩をチョイチョイとつついた。


「ん?」


「あのさ、後ろ確認してくれない?誰か、こっち見てる?」


鎌田さんが首を伸ばす。


「うわっ…」


わざと視線をズラしながら、鎌田さんが示す方向にそれとなく顔を動かした。


 ゾク…。


喜田が目を逸らすことなく、じっとこちらを見ていた。


友紀は気付かなかったフリをして、顔を膝に埋める。





そして、この日から、また喜田の電話攻勢が始まるのだった。


「やっぱり好きなんだ。やり直してくれないか」



 -終-


叱咤激励!



Comment

ひろみっきー | URL | 2009.01.21 23:20
おぉ!
と声に出してしまった!
香月 瞬 | URL | 2009.01.21 23:27
お初です。
一体、何に反応されたのやら(笑)。
読んでくれてありがとうございます。
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プロフィール

香月 瞬

Author:香月 瞬
短編小説を主に、様々な恋路を綴ってまいります。
友達のコイバナを聞くようなつもりで読んでいただけると嬉しいです。

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