FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

* 第十七話 * ~友紀の場合~ ?

期末テスト最終日も終わり、久々に寮に帰ってからも勉強せずにまったり出来る夜だった。


寮の電話が鳴って、一年生の友紀は急いで受話器を取りに行く。


「はい、女子十二寮、天野でございます」


「あ、俺…、喜田だけど」


腹の中に鉛が溜まったように、ズシリと気が落ちた。


「はい…、私です」


テスト期間中は流石の喜田も電話を掛けてこなかったので、非常に快適だったのだが、早速の解禁だったようだ。


「テスト、どうだった?俺、いつもよりは頑張れたと思うんだ」


彼は気分良さそうに話し出した。


このままの流れだとご褒美の話に行き着いてしまうと焦った友紀は、突然話題を変えた。


「あのっ、この間クラスの子が言ってたんですけどぉ。…気悪くしたら申し訳ないんですけど、あの、喜田さんって織田裕二に似てますよね」


 ―― 後姿だけ。


言葉を飲み込みつつ。


「あー、たまに言われるけど。親とかには、吉田栄作って言われるよ」


「あー…」


 ―― に、似てない。親、目悪すぎ。


なんだか微妙な空白を作ってしまった。


「親はありがたいよね。俺のことカッコイイって思っててくれてさ」


「はいー、そうですよねー」


言葉に気持ちが入らない。


早く電話を切ってしまいたい。


「なんか、しばらく話してなかったら、不安になっちゃったよ」


友紀の頭にピンと嫌な予感が走った。


「あっ、ちょっと」


友紀が制止する間もなく、喜田の方が早かった。


「俺のこと、好き?」


 ―― 出たっ!


「えっと…」


 ―― もうダメだ、私。自分に嘘つけない!


友紀は、ひとつ息を吸って、思い切り言葉と一緒に吐き出した。


「好きじゃないですっ」


電話から少し離れたところにいた同じ部屋の二年生と三年生がものすごい反応で友紀の方を振り向いた。


えええ?という表情で、友紀を見ている。


電話の向こうも、あっけにとられた空気を受話器越しから感じさせていた。


友紀は、段々と頭が冴えてきて、冷静にとどめの一言を発した。


「私、もう別れたいです」



叱咤激励!



プロフィール

香月 瞬

Author:香月 瞬
短編小説を主に、様々な恋路を綴ってまいります。
友達のコイバナを聞くようなつもりで読んでいただけると嬉しいです。

検索&ランキング
参加しています。
にほんブログ村 小説ブログへ 人気ブログランキングへ
よろしくどうぞ。
カテゴリ
最新記事
Twitter
リンク
このブログをリンクに追加する
MicroAd
CHECK IT!
RSSリンクの表示
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。