FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

* 第十七話 * ~友紀の場合~ ?

もうすぐ六時間目の授業が終わる。



友紀は緊張で落ち着いて椅子に腰掛けていられない。



お尻をモジモジモジモジさせていた。



友紀より前方に座っている伊達が時折振り返ってニヤリとするのが分かる。



呼び出された音楽室というのは、コの字形に作られた校舎の一階隅にある。



放課後になると、吹奏楽部の活動がある日でなければ、廊下に人がまず通らない。



曲がり角の奥まったところなので、普通に歩く分には死角になるのだ。



しかも、一階は施錠をしてある特別教室に挟まれるように廊下があるので陽光が入らず、電気がついていないとかなり薄暗い。



そんな校舎内で最も人通りの少ない廊下に呼び出されたということは、想像することはひとつしかない。



終鈴が鳴り、帰りのホームルームの頃には、友紀は吐き気をもよおしてグッタリしてきた。



机に突っ伏していると、伊達が声を掛けてきた。



「ひとりで行けるか?」



普段、不愛想な彼には珍しいことだ。



友紀は苦笑いした。



「うん、大丈夫。行ってくる」



フラリと椅子から立ち上がった。



なんだか手と足が上手く機能してない気がする程、歩き方がギクシャクする。



階段を降り、一階へ向かった。



薄暗い廊下の奥に、人のシルエットが見える。



壁に寄り掛かって、しゃがんでいるあの人は、おそらく喜田であろう。



友紀は、ひとつ深呼吸すると、軽く小走りに音楽室の前へ進んだ。



足音に気付いたのか、屈んでいた人がゆっくり立ち上がる。



「あの…、遅くなってすみません」



友紀は覗き込むようにして、声を掛けた。



間違いなく、喜田がこちらを向いた。



「あっ、ごめんね、急に。伊達に無理言っちゃったかな」



喜田の笑顔を初めて見た。



「この前はありがとね。…二人三脚」



「いえ、こちらこそ…」



 ―― なんだか前もこんな会話したかも。



空気が張り詰めていて、この場だけ、時間が止まったようだった。



「えと、話って…、何ですか?」



我ながら白々しいなと思いつつ、友紀が思い切って水を向ける。



「うん、あのさ。大体分かると思うんだけど」



「はい?」



友紀の全身がガチリと硬直した。



叱咤激励!




プロフィール

香月 瞬

Author:香月 瞬
短編小説を主に、様々な恋路を綴ってまいります。
友達のコイバナを聞くようなつもりで読んでいただけると嬉しいです。

検索&ランキング
参加しています。
にほんブログ村 小説ブログへ 人気ブログランキングへ
よろしくどうぞ。
カテゴリ
最新記事
Twitter
リンク
このブログをリンクに追加する
MicroAd
CHECK IT!
RSSリンクの表示
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。