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* 第十七話 * ~友紀の場合~ ?

「いっちに、いっちに」


支えられた肩から喜田の体温が伝わってくる。


息苦しさと高鳴る鼓動は走っている故か。


それとも。


友紀の頭はワケが分からなくなっていた。


喜田と友紀のチームは順調に次の走者にバトンを渡し終えた。


喜田は黙って、足のハチマキを解く。


「あ、ありがとうございました」


息の上がった友紀の声に、顔を上げる。


初めてまっすぐに顔を見てもらった気がする。


「あ、いや、こちらこそ」


そう言って立ち上がると、「じゃ」とアッサリ自分の席に戻っていった。


「どうだった?友紀ちゃん…」


走り終えた鎌田さんがやってきた。


「うん、…フツー」


ボー然と見送る喜田の後姿は、やっぱり織田裕二そっくりだった。






体育祭も終了し、なんだか緊張感の抜けた友紀は、喜田熱もなんとなく冷めていた。


当然の義務のように、足を結び、照れることすらなく肩を抱いた喜田。


 ―― なんか、つまんない。


そう友紀は感じた。


確かに、初めて男子に肩を抱かれてドキッとはしたけど、ときめいたのは自分だけだったみたいなこの敗北感…。


 ―― クール過ぎる…。


「うおぉ」と嫉妬の声を上げてくれた友紀ファンの男子の方が余程可愛げがあるってものだ。


 ―― 後姿は確かにカッコいいけど、まじまじと顔見たら、そうでもなかったし。


友紀は、周りにそう嘯いた。


教室の窓際でボーッとしていると、ガラっと音を立てて、伊達が入ってきた。


「天野さん、いる?」


友紀が驚いて顔を向けると、長身の伊達が大股でズンズンと自分のところへ来た。


少し顔を寄せ、小声で彼は言った。


「喜田さんが、お前に話あんだって」


「えっ?」


友紀は途端に動揺した。


「それって、どういうこと?」


「知らねーけど、部屋命令で頼まれたんだ」


伊達はニヤニヤしている。


「今日の放課後、音楽室の前の廊下に来いってよ?」


友紀の肩にポンと手を置いて、噛み締めるように喜田は言う。


「いい人だぞ?喜田さんは」


意味ありげな台詞に、友紀の顔はみるみる間に真っ赤に染まった。





叱咤激励!

プロフィール

香月 瞬

Author:香月 瞬
短編小説を主に、様々な恋路を綴ってまいります。
友達のコイバナを聞くようなつもりで読んでいただけると嬉しいです。

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