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* 第十六話 * ~麻弥子の場合~ ?

里実が麻弥子の告白を聞いてから、早一年が経とうとしていた。


例のバンドは、一時期の勢いは落ちたとは言え、まだ第一線で活躍中で、新曲を出せばオリコン10位内には入る状況であった。


ハッキリ言って、里実にとっては、有名ギタリストと親友の色恋なんて夢物語としか思えず、あまり付き合いたい類の話ではなかった。


そもそも、麻弥子が彼らのライブイベントに行ったことや、実はファンクラブ会員だったこと、すべて後から知ったことだったし、こんなに長い付き合いなのに、あの打ち明け話の日まで何も気付かなかったことが友達としてなんだか許せない気持ちにもなっていたからだ。


少し、心が病んでいるのかなとすら感じた程だった。


ただ、麻弥子の方は、ずっと隠していたことを里実に話したことで、すっかり箍が緩んだらしく、何かと言うとその話題を振ってくるようになっていた。


ある夜も携帯にメールが来た。


【ネエ、イマテレビミテル?】


そのメールを見て、里実が歌番組をつけると、彼らが歌っているところだった。


【キョウノサングラス、ワタシガアゲタプレゼント】


ギタリストが定番のサングラスとはちょっと形の違った新しいものをかけて、長い金髪を振り乱していた。


「ホントかよ…?」


里実は半信半疑で映像を眺めていた。


そして、先日聞いた麻弥子の話を思い出して、溜息をついた。






奥さんと別居し始めたらしいの。


今、3ヶ月に1度くらい会えるのがやっとなんだけど、もっと会えるようになるかもしれない。


私、あの人の為なら、仕事も何も捨てても構わないと思ってる。


どこまでも着いていく覚悟は出来てる。






そう言った麻弥子の目は輝いてはいたが、里実と話しているのに、焦点は遠く、里実を通り越している。


仕事も何も捨てても構わない、そうハッキリ言った麻弥子。


「…友達も、捨てられるんだね」


里実はそう思ったが、言えなかった。


なかなか会えないらしい現状。


不倫という立場。


危うい程、一直線な熱い想い…。


思いつめてしまっているのか、麻弥子は会うたびにやつれていく気がした。


真実なんだろうか。


妄想なんだろうか。


そこが既に分からない里実は、どう対処していいのか分からなかった。



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プロフィール

香月 瞬

Author:香月 瞬
短編小説を主に、様々な恋路を綴ってまいります。
友達のコイバナを聞くようなつもりで読んでいただけると嬉しいです。

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