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* 第十二話 * ~茂樹の場合~ ⑥

新幹線に乗り、トンネルを抜け、だんだん景色が雪深くなっていきます。


この辺りは、繁華街といってもちっとも華やかではなく、狭い道路が延々と続き、夜になれば辺りは真っ暗で、雪を始めとする自然だけは脅威を感じるほどに充実しています。


僕は、この地に近づくごとに憂鬱になりました。


この敷地だけはでかいが小さな支社で何年我慢すれば東京に戻れるのでしょう。


ため息をつきつつ、社宅のドアを開け、暖房をつけました。


およそ五時間の移動で身体が凝りに凝っています。


ポストに新聞とともに入っていた数枚の年賀状とピンクチラシを炬燵の上にポンと放り、寝転がりました。


「デリヘルかぁ。新年早々よくやるぜ」


独り言をつぶやきながら、ピンクチラシを眺め、だんだんとその気になってきたところで、携帯電話が鳴り、僕は肝を冷やしました。


ディスプレイには、郁美の番号が表示されていました。


「もしもーし」


動揺を悟られないように低い声を出しました。


「着いた?」


郁美の声を聞いて、鼻腔に彼女の香りがふっと蘇りました。


「着いたよ~。移動だけでくたくただ」


「なんか不思議。こんなに近くで声が聞こえるのに、遠くにいるんだ」


淋しそうな台詞にキュンとしました。


「心配すんな。成人の日にはまた帰るんだから。待つのはほんの10日ばかりだろ?」


「そうだよね」


僕は何かと理由を付けては東京に帰っていたから、月に二度は往復していました。


僕の給料の大半は交通費。


それだけ、この地で一人でいるのはつまらなく、淋しかったのです。


「彼女には優しいんだ。不安になんかさせない」


「え?」


やや沈黙がありました。


「私…、後藤君の彼女になっていいの?」


こっちに戻ったことに滅入ってて、少し勢いを付けすぎたかもしれませんが、僕は頷きました。


「嫌?」


「ううん、嬉しい」


受話器越しに郁美がチュッとしてくれたのが聞こえると僕の股間が熱くなるのが分かりました。


「ここでエッチしようか」


「…」


郁美の戸惑いが感じられました。


僕は変態染みたことを口走ってしまったと慌てて訂正しようとしました。


「いいよ。どうしたらいい?」


一瞬、耳を疑いました。


「うん、じゃ、服脱げる?」


「今、パジャマなんだ。前だけはだけたよ」


恥ずかしそうな郁美の愛らしい声が耳奥に届いてきます。


僕はデニムのファスナーを下げるとおもむろに大きくなったムスコを取り出し、握りました。


「じゃあ、僕が郁美の乳首をコリコリするからね」


「あ…うん…」


しばらく戯れた後、あまりの興奮に僕はすぐ果ててしまい、途端にものすごい恥ずかしさが僕を襲いました。


「ごめんね、郁美。電話でこんなこと…」


「いいよ。素敵だったわ。」


上気した声が伝わり、僕は安堵しました。


「次会ったときには、私の中でイってね」


「うん、郁美、大好きだ」


僕はあまりに幸せで、また昇天しそうでした。



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プロフィール

香月 瞬

Author:香月 瞬
短編小説を主に、様々な恋路を綴ってまいります。
友達のコイバナを聞くようなつもりで読んでいただけると嬉しいです。

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